和紙が世界無形遺産に登録されました。 以下、NHKのwebsiteから引用します。
世界各地の伝統文化や芸能を保護するユネスコ=国連教育科学文化機関は、日本の手すき和紙の技術が世代を超えて受け継がれ、地域社会のつながりを生んでいるとして無形文化遺産に登録することを決めました。
ユネスコは26日、パリにある本部で委員会を開き、日本の手すき和紙の技術を無形文化遺産に登録するかどうか、審議を行いました。その結果、「地域でこうぞの栽培を進めたり、教育現場で手すきの体験活動を行ったりして、世代を超えて伝統的な知識や技術が受け継がれ、地域社会のつながりを生んでいる」として、日本時間27日午前3時前、無形文化遺産に登録することを決めました。
登録が決まったのは、島根県の「石州半紙」、岐阜県の「本美濃紙」、埼玉県の「細川紙」で、いずれも「こうぞ」だけを原料に伝統的な手すきで作られています。
このうち「石州半紙」は、5年前に無形文化遺産に登録されましたが、日本政府が和紙作りの技術をより強くアピールしようと、去年3つまとめて新たに提案していました。
登録を受けて、会見した文化庁の青柳正規長官は「これほど完璧に良い質の紙を作るのは、今では日本だけになっている」と述べて、3つまとめて登録された意義を強調しました。
そのうえで、「良質の木の枠組みを作る職人が減るなど、伝統的な和紙を作るためのインフラが弱っている。保護していかないと、すばらしい技術を維持できなくなる」と述べ、伝統技術を守るために国も全面的に支援していく考えを示しました。
〈http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141127/k10013518381000.html〉
さて、本と紙は切っても切れないものです。もっとも、書籍用紙と言うと不透明度の高い淡クリームとか淡イエローとかが中心です。私は仕事で淡クリームキンマリの90〜120kgを使っていましたが、今は諸般の事情でマットコート紙を使っています。
和紙の本はおそらくほとんど市販されていません。しかも手漉き和紙の書籍と言うとかなり高価な特注品になるのではないでしょうか(笑)そんな和紙が、実は世界中で書籍に使われつつあります。とくにエジプトでは、和紙に大きな期待が寄せられています。
実は、エジプトの古代パピルス文書の補強・修復には和紙が使われているのです。実際に、和紙による修復技術の習得にエジプトから研究者が京都に研修に来ているところです<和紙:技術をパピルス修復に エジプト人、京都で研修>
エジプトに限らず、強靭でしなやかな和紙と化学薬品を使わない日本の糊(でんぷんのり・ふのり)は、世界各国の歴史的価値を持つ書籍や紙資料の補強・修復・補完の現場で使われているのです。
紙は本という形だけでなく、様々な形で文化を育み、守っているんですね〜!
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